つゆづくし篇(1980年)

CMエピソード

川柳篇/つゆづくし篇

 

それまで当時のヒットソング関連で作ってきた「ごはんですよ!」のCMも、だんだん著作権の処理が難しくなってきて、この頃から日常生活に根差したテーマに方向転換を余儀なくされた。

『川柳篇』では、日常の中のさまざまな「ごはんですよ!」のシーンを描いてる。「よろめきドラマ」と言われて主婦層に人気だった昼間のドラマや、子供や奥さんの長電話、大学共通第一次試験など当時の日本人の生活がうかがえるね。

『つゆづくし篇』では、「子供電話相談室」というラジオ番組の回答者の無着成恭先生のしゃべり方を真似てみた。山形出身の朴訥な話し方が面白くて人気があったんだ。CM中に出てくる「美人のおばけ」というのは、三遊亭圓朝の怪談噺『牡丹灯籠』に出てくるお露という幽霊のこと。お露が、焦がれ死にした浪人・萩原新三郎の所へ、夜な夜な下女の幽霊と二人でカランコロンと下駄の音を響かせて通って来るというこわーい噺だよ。