のり平篇(1967年)

CMエピソード

三四郎篇/合戦篇/のり平篇/いかだ篇/天竜下り篇

 

『三四郎篇』では柔道着姿ののり平さんが登場するが、これは当時流行していた富田常雄の柔道小説『姿三四郎』のパロディー。富田常雄は他にも『柔』という柔道小説を書いていて、前年に美空ひばりが『柔』って曲でレコード大賞を取ったってことで、両方に掛けた感じだね。

『合戦篇』の「塩からんものはかつをにも聞け 近くば寄って食べてみよ!」は、講釈で合戦の前に名乗りを上げる時のセリフ「遠からん者は音にも聞け 近くば寄って目にも見よ」をもじったもの。CM中の「拝領」が「肺病」に聞こえるって投書があって、昔の言葉が通じにくくなったことを実感したね。

『のり平篇』は、当時のり平さんが忙しくて全然時間が取れなかったので、その状況を逆手にとって、しゃべりたいのに女性にしゃべられてしまうという苦肉の設定に。おかげで異色作となった。『いかだ篇』は伊那節をきかせたいい作品だったので、後年少し演出を変えてカラー化した。