討ち入り篇(1964年)

CMエピソード

討ち入り篇/松の廊下篇

 

昭和39年に放映された第2回NHK大河ドラマは、大佛次郎原作の『赤穂浪士』。主役の大石内蔵助を、長谷川一夫が演じてすごく話題だったんだ。長谷川一夫は戦前から戦後の長きにわたって活躍した天下の二枚目スターだよ。この中で彼が言う「各々方、討ち入りでござる」ってセリフは日本中で流行って、みんなが真似したもんだ。

この頃の大河ドラマといったら国民的な話題性を持っていたから、忠臣蔵はパロディーとしては好材料ってことで、『討ち入り篇』と『松の廊下篇』を作った。『松の廊下篇』で刀を振りかざすのり平さんに、「殿中でござるぞ」と忠告して見せたのは「刃物を持つのはやめましょう」の文字。これは、当時の青少年不良化防止の標語だったんだ。

浅野内匠頭の「風さそう花よりもなほ我はまた 春の名残りをいかにとやせん」という辞世の句を、皆がうろ覚えだったので、夜遅くあちこちへ電話を掛けて調べたのを、今でも覚えているよ。