開発秘話

昭和43年当時の瓶

「味付メンマ」を発売したのは、1968(昭和43)年です。佃煮とらっきょうのほかに、柱となる商品を開発しようと、社長はメンマの商品化を開発部に指示。しかし、当時はメンマといっても、ラーメンに乗ったシナチクしか知らず、どうやって調理するのか見当がつかない状態でした。

とりあえず、メンマの商品化に挑戦。乾燥メンマを戻すところからはじまります。意外に知られていないのが、メンマは発酵食品ということ(詳しくは「味付メンマのできるまで」参照)。メンマを戻すときは強烈な臭いがします。水を取り替えながら5日ぐらい煮るのですが、開発部はその臭いにクラクラ。ほかの部署にもその臭いが駆け巡り、本当においしい商品になるのか心配されました。

しかし、「自分がうまいと思えるものをつくれば売れる」という社長の信念で商品を開発。いよいよ発売となり、18社の特約店会議で試食会をしました。 なじみの薄いメンマだけに「これは売れる」と言った人はひとりだけ。その言葉にまたクラクラする開発部でした。ところが、発売すると、生産が追いつかない大ヒット。メンマという名前も一般に知られるようになり、ラーメンのトッピングから中華惣菜へと認識が広がっていきました。

「うまいものをつくれば売れる」

この成功から、桃屋ではさまざまな商品を展開するようになりました。