演出・企画 飯田茂

あったらいいな~、「のり平アニメ」実演版

演出・企画 飯田茂

以前、鳥居宥之さんご本人のインタビューがありましたが、今回は、鳥居さんの演出について紹介します。鳥居さんは、初代演出家大西清さんから引き継いでかれこれ40年、「のり平アニメ」の演出を手がけています。

「のり平アニメ」は声を先に収録して、それにアニメをつけるというアフレコの反対。アフレコならば、画面に合わせてセリフを言い、失敗したら、「はいもう一度」となりますが、逆となると「はい、もう一度描き直し」というわけにいきません。アニメをセリフにはめるわけです。ぴったりと合わせるために録音したナレーションをフレーズごとにコマ単位(現在は1秒に30コマ)で秒割りし、絵コンテを描きます。演出の打ち合わせでは、そのコンテを元に鳥居さんがアニメーターの辻伸一さんに説明をします。鳥居さんは、「のり平」に乗り移ったようにニュアンスの細かいところまで実演して説明。これが、とっても面白い!

三木のり平さんも、のり一さんもクレオパトラから相撲取りまで、いろいろな「声」で演じ分けますが、「振り」までつけて演じるのは鳥居さんだけです。「くやし~い」とハンカチを噛んだり、ときには踊ったりします。そこに、冷静沈着な小林宏さんが、「十二単の資料がこれだから」なんて言って付け加えます。

もし、鳥居さんの40年間の演出を撮影していたら、「のり平アニメ実演版」として面白いコント集ができたかもしれません。

※本インタビューは、2004年3月16日に収録したものです。