俳優 小林のり一

稽古場のあった四谷の家から引越ししました

小林のり一

引越しをしたっていいましたっけ?1999年に父が亡くなってから、そのままにしたあった四谷の家を(2005年)暮れに処分しましてね。それは一苦労でした。上がマンションになっていて、僕や妹家族も住んでいて、それぞれの荷物を整理するのもたいへんだったけど、父の荷物は半端じゃないから、そっちはもう途方にくれちゃって。

思い出がうんざりするほどあってね、スクラップブックとか、書き込みがびっしりとある芝居の台本など。稽古場として使っていたぐらい広い家だったから、置くところがたくさんあって、整理をしなくても平気だったんですよ。それを片付けるとなると、途方もない。それに役所へ行って、やれ証書だの実印はどれだの、手続き関係のわずらわしいことがまったく苦手で。まあ、ああいうのが得意という人もいないだろうけど。

さみしくないかって?いえ、荷物整理に追われていると、そんなこと感じていられないですよ。それに育った家はマンションに建て替える前の家だから、もとの家には愛着がありましたけどね。四谷へは僕が3つ前ぐらいのときに、日本橋浪花町から移ってきました。父は麻雀のカタに貰った土地に建てたんと言っていました。でも、ほんとかどうかわかりませんよ。

最初は、あれもこれも取っておこうと思うけど、だんだん引越しの日が近づくと面倒になって、こんなものはいらないかなって。え?桃屋関係のものですか?あったかな?そうそう、楽屋暖簾がありましたね。桃屋さんでつくってくれたのかな。それをどこにしまったか、もう思い出せないけど、捨ててないですよ(笑)。

※本インタビューは、2004年3月16日に収録したものです。